チャバネセセリはどのあたりで多く見られるのでしょうか?

幼虫のままで冬を越すのですから、冬季もある程度の気温が必要ですよね。

近似種ともだいたい同じ場所に生息することは確認されているようですが、オオチャバネセセリは比較的山に近い地域、ミヤマチャバネセセリは渓流沿いなどでも見られ平野部には少ないなど、若干の違いがあるようです。

チャバネセセリの場合はどうでしょう。

主な分布場所や生息地などについてご紹介します。

チャバネセセリ 分布

チャバネセセリの分布について

チャバネセセリは東アジアからオセアニアにかけての暖地に分布するとされ、日本では主に本州,四国,九州から南西諸島にかけての生息が確認されています。

幼虫の食草がイネ科の植物であるため、イネやチガヤ,ススキ,エノコログサといった細長い葉の植物が生えている農地や草地のような平地から、少し山際にかかる林のような場所などで見られるようです。

幼虫のままで食草を食べて成長しながら冬を越す生態をもちますが、越冬できるのは関東沿岸部や中部地方以南の暖地のあたりに限られているということです。

そのため、越冬した幼虫が早春に蛹化するのが最初となり、その後暖かくなるにつれて徐々に活動範囲を東北地方にまでのばしていくことになります。

一般的な活動期といわれる5月から11月の間に3~4回の羽化を繰り返しますが、特に8月下旬頃からの個体数が一番多いということです。

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まとめ

冬に幼虫のままで越冬可能な地域を中心に生息するチャバネセセリ。

比較的平野部の農地や公園のような場所、また花が多く咲いている庭などでも遭遇することができそうです。

早春に越冬した個体が羽化するのを始まりとして、何度かの羽化を繰り返しながら活動範囲を北へ向けて広げていくのですね。

成虫の羽化は特に夏の終わりから秋にかけて増えてくるようですが、そもそも個体数自体はそれほど多くないということです。

セセリチョウ科の近似種の中には、平地部での生息数が減ってきていることから、特定の地域での絶滅危惧種に指定されている場合があるそうです。

近年のチョウの生息地の環境の変化との因果関係も想定されますので、チャバネセセリにもその流れが及ばないよう、私たちも日々の生活の中で意識を持っておくことが必要なのかもしれません。

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