蚕とは、チョウやガの仲間で絹糸となる繭を作る昆虫です。
商業的な飼育とは別にして、蚕の飼育自体は餌の確保ができればそれほど難しいものではありません。
小学生の授業に取り入れられている地域もあります。
蚕は繭と蛹(サナギ)の時期は、どのようにして飼育するのでしょうか。
この記事では、蚕の蛹と繭の時期の飼育方法についてまとめています。
目次
蚕は繭を作ってから蛹になる
蚕はカイコガというガの幼虫です。
卵から孵化した蚕の幼虫は、脱皮を繰り返しながら成長します。
大きく成長した蚕は繭を作ります。
蚕の幼虫は繭を完成させてから、繭の中で蛹になります。
その後カイコガとなって蛹の殻を破り、繭を溶かすものを口から出して繭から出てきます(羽化・うか)。
蚕が蛹と繭となった時期の飼育について
蚕と言えば、餌は桑の葉ですが現在は蚕用の人工飼料が開発されています。
ただ桑の葉を食べた蚕は人工飼料を食べなくなるので、人工飼料を使う場合は、それのみを与えます。
卵の孵化から蚕の幼虫が繭を作るまでの期間は25日くらいです。
この間の飼育は主に餌やりと糞の始末となります。
蚕の幼虫は脱皮する時期以外は、眠ることなくひたすら餌を食べます。
飼育方法は?
蚕の幼虫は4回脱皮したら繭を作り始めます。
その時期になったら蚕が繭作りを順調に行える環境作りをします。
マブシを作る
蚕が繭を作る場所のことを、マブシ(蔟)と言います。
蚕は四方の壁に糸を貼り付けてから繭を作るので、小さな個室を蚕の数だけ用意します。
深さのない菓子箱のような箱に厚紙などで仕切りを作る方法が一般的ですが、それ以外にも方法はあります。
蚕は繭が作れるまで成長すると繭を探す場所を探してウロウロし始めます。
それまでは餌を食べる時に少し動くくらいです。
※個室の仕切りと箱は取り外せるように作ります。箱の底には新聞紙など後から捨てることのできる紙などを敷いて、仕切りを置きます。
繭を作って幼虫から蛹へと変わる
繭を作る場所を探し始めた蚕を個室に入れると、体の水分(尿)を出した後に繭を作り始めます。
2~3日ほどかけて糸を吐き続けて繭を形成します。
繭が完成したら2日ほどで繭の中で脱皮して蛹になります。
繭から絹糸を取りたい場合は?
繭から絹糸を取りたい場合は、蚕が繭を作り始めて8日~11日目に繭をマブシから取り出して糸を取ります。
羽化
蛹になって10日ほどでカイコガとなって羽化します。
カイコガは餌を食べません。
蚕は羽化した後は繁殖行動をして後、一生を終えます。
まとめ
蚕の蛹と繭の時期の飼育のポイントは蚕の個室、マブシ作りです。
餌やりは幼虫の間のみとなります。
蚕の寿命は孵化から約50日です。