蚕はどうやって繭を作るのかご存知でしょうか?
ここで、繭の作る過程をお話しします。
蚕が繭作りをする方法とは?
まず、蚕の成長過程について説明しましょう。
蚕の卵は黒っぽい色をしており、灰色になってくると、孵化を迎えます。
卵からかえった幼虫は、頭が黒く、体長は2ミリほど。
毛に覆われた体をしています。
また、蟻のように見えることから、毛蚕(けご)、蟻蚕(ぎさん)とも呼ばれます。
生まれて3日程すると、餌を食べなくなり、頭を上げた状態で動かなくなります。
これは脱皮前になったサインで、眠といいます。
蚕は一生のうちに5回脱皮をしますが、幼虫が1回目の脱皮を迎えるまでを1齢と数え、脱皮して2齢目を迎えます。
2齢目、3齢目と同じように少しずつ大きくなってゆき、5齢目には8センチ程になります。
蚕の幼虫が4回目の脱皮を迎え、蚕の体の色が透き通って飴色になり、首を振るようになると、繭を作り出すサインですので、繭を作る為の細かい仕切りのある部屋に入れます。
この作業を上蔟(じょうぞく)と言います。
ここからが繭を作る工程になります。
マブシと呼ばれる小さな仕切りのついた箱に入れてやると、蚕は繭を作る場所を見つけてそこでフィブリンという物質を吐いて糸を作り、同時にセシリンという接着剤となる物質を吐いて繭を形成していきます。
まず、薄く糸を吐いて足場を作っていきます。
この時蚕は、のけぞりながらも忙しそうに繭を安定させるための足場を、縦横無尽に作ります。
そして足場が完成すると尿をします。
この時、尿をたくさんしますので、必ず上蔟時に箱の底に紙を何枚か敷いてやらなくてはなりません。
排尿し終われば、ついに繭を作っていきます。
足場を角、床、天井、側面と張り巡らしたところに、足場の中心に向かってどんどん糸を吐き、外側から内側に向かって丸く仕上げていきます。
蚕が繭を作ることを営繭といいます。
足場を作り始めて3日ほどで繭は完成します。
まとめ
蚕は繭を作るマブシという箱に入れると、外側から内側へ向かって糸を吐き出し、作り始めて3日ほどで繭を完成させるのです。