蝶々の幼虫を見た時、その幼虫で大人の姿を想像できるでしょうか。
きっと大きくなって優雅に飛ぶ姿はあんなに種類によって違うのですから、幼虫にだって違いはあるはずです。
今回は、幼虫の段階での見分け方等を探っていきたいと思います。
これを見て、樹の葉にいる幼虫は、クロアゲハの幼虫で間違いないといえるようになれたらよいですね。
クロアゲハの幼虫の特徴は?
クロアゲハの幼虫は、パッと見では、クロアゲハだと判断するには難しいと思います。
なので、個体をゆっくり観察してみることが必要です。
若齢幼虫の時の特徴としては、光沢があって頭が少し他の幼虫と比べると大きいです。
終齢幼虫の時では、背中の模様が幾何学模様のような柄になっているのが特徴となります。
そして、もう一つは、皆さんもクロアゲハの幼虫を観察している時に見たことがあるかもしれませんが、時折幼虫から飛び出る臭角と呼ばれる角になります。
クロアゲハの幼虫の臭角はピンクに近い色をしています。
クロアゲハの幼虫はどう見分けるの?
若齢幼虫の場合で他の似たアゲハと見分けるポイントは、前述で記述した光沢と頭の大きさ以外に色でも識別が可能です。
例えば、似た種類のカラスアゲハは、クロアゲハが黒色に近い色であるのに対し、若齢幼虫の時から色が緑色であり、胸部背面の形に特徴があるのです。
また、別の種類のオナガアゲハでは、尾端の部分が真っ白になっており、この点がクロアゲハとは異なるポイントとなります。
次に終齢幼虫での見分けるポイントですが、一番見分けるのに良いのは、背中の柄でしょうか。
クロアゲハが幾何学模様に似た柄に対し、他の種類の幼虫はそれぞれ異なる特徴を持った模様をしているのです。
そして、もう一つは、臭角の色です。
これも、クロアゲハがピンクに近い色に対し、他の種類のアゲハ蝶は、黄色でしたり、赤に近い色をしていたり様々な色の臭角を持っているのです。
クロアゲハの幼虫の角の役目って何?
前述で臭角の色の違いについて、記述しましたが、そもそもこの臭角にはどんな役目があるのでしょうか。
まず、この臭角ですが、実はアゲハ類の幼虫しか持っていないです。
他の蝶の種類にはこの臭角はありません。
この臭角ですが、普段は頭部と胸部の間の背中側の皮膚の下に隠されており、いつも出しているわけではないのです。
では、いつ出すのかと言いますと、敵から攻撃などを受けた時に威嚇するために臭角を出すのです。
そして、この臭角は文字通り、見た目だけで威嚇するわけではなく、臭角の表面が揮発性の分泌物で覆われており、強烈な臭いを放つのです。
クロアゲハの幼虫のお世話をしようと飼育ケースを開けた時の様子です。
臭角を出して威嚇していますが、『いつもお世話してくれてありがとう』って照れながら言ってくれてると勝手に都合の良い解釈をしながら毎日楽しくお世話をしています\(* ¨̮ *)/♪
【ローズネット】 pic.twitter.com/XsDKtiU64c— 箕面公園昆虫館 (@mino_insect) 2018年4月19日
まとめ
成虫の状態でクロアゲハと他の似た蝶とでは、それぞれ翅の模様や色など特徴があるように幼虫にも色や柄、また臭角などでそれぞれ特徴があり、似た種類の蝶と幼虫の状態でもしっかり観察すれば区別はできるのです。
また、アゲハ類だけが唯一持っている臭角といった武器で幼虫は、敵から身を守る手段を使いながら成虫になるまで育っていくのです。