昆虫の世界ではあまり珍しくないのが共食いですが、ジャコウアゲハの幼虫も共食いをします。

同じ仲間同士なのに一体どうして共食いをしてしまうのでしょうか。

ジャコウアゲハ 幼虫 共食い

ジャコウアゲハの幼虫が共食いをする理由とは?

ジャコウアゲハの幼虫が食べるエサはウマノスズクサという食草で、卵もその草に産み付けられます。

ジャコウアゲハは卵からかえるとウマノスズクサの葉を食べ成長しますが、このウマノスズクサには毒があります。

他の昆虫は毒があるので食べないのに対し、ジャコウアゲハはその毒を体内に蓄積させ敵から身を守ることができるのです。

しかし実は、ジャコウアゲハの幼虫が共食いをしてしまう理由はエサである大好物のウマノスズクサにあったのです。

ウマノスズクサの毒にはアリストロキア酸というものが含まれていて、毒性があるのと同時に「摂食刺激物質」でもあるのです。

幼虫の頃にウマノスズクサを食べて成虫になったジャコウアゲハが産んだ卵には、その時点ですでに摂食刺激物質が含まれています。

このため、ウマノスズクサに含まれているアリストロキア酸を自然と求めるジャコウアゲハの幼虫が、同じジャコウアゲハの幼虫やサナギもエサとみなしてしまい共食いしてしまうと言われています。

ちなみに共食いをするという意見には否定的な意見もあり、「自分が脱皮して脱ぎ捨てた皮を食べているのが共食いに見えているだけ」だったり「脱皮直後でまだ頭部の殻を口の先に付けているから共食いしたように見える」と言う人もいます。

もちろんその現場を見たらそう思ってしまうのは分かるのですが、残念ながら実際に共食いをしているというのは事実です。

共食いをしないジャコウアゲハの幼虫もいるのですが、理由として考えられているのがアリストロキア酸の含まれている量の少ない葉っぱを食べて育つと共食いをする確率が少なくなるといわれています。

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まとめ

ジャコウアゲハの幼虫が共食いをしてしまうのは、ウマノスズクサに含まれているアリストロキア酸の摂食刺激物質によるもので、無意識に共食いをしてしまっているということが言えます。

食べたくて仲間を食べていると言うわけではなく、エサと勘違いしてしまっている様ですね。

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