シルクは肌触りが良く、光沢があり高級感のある衣類として古くから珍重されてきました。

蚕が作り出す繭の色はどうやってつくられているのか、その様々な種類について、お話しします。

蚕 繭 色

蚕の繭の色はどんな色?

蚕の繭の種類は現在数え切れないほど沢山あります。

長い間品種改良を重ねており、最近では発光するものもあります。

代表的な品種は小石丸という、古代から日本で生産されて来た品種です。

皇居で皇后さまが宮中行事の一つとして育てておられますが、長い歴史の中で絶えかけた品種を皇后さまの尽力によって現在に残されたもので、正倉院の宝物の修復に使われるなど、貴重なものです。

繭の色は白、黄色、オレンジ、ピンク、緑などが代表的な色ですが、遺伝によって掛け合わせることが可能なため、、人工的に様々な風合いの色が生み出されています。

蚕の繭はもともと白いわけではなく、原種は黄色であったと考えられています。

日本人が白い絹を好んだ為、長い歴史の中で、日本種は白が代表的な色となっています。

では、どうして繭に色がつくかということをご説明します。

蚕の糸は、絹糸腺という糸を作る器官から吐かれるフィブリンを、セシリンという接着剤の役割があるタンパク質でコーティングするように作られています。

このセシリンに色がついて、繭が着色されるのです。

蚕が桑の葉を食べると、桑の葉についた自然界にある着色物質が体に取り込まれ、やがて、蚕の体の中で分解され、セシリンを作る器官に到達します。

黄色のものはカロチノイド、オレンジはβカロチン、緑はフラボノイドなどがその成分です。

蚕には色を透過してしまう遺伝子を持った蚕と、透過しない遺伝子を持った蚕がおり、白い繭は透過しない種の遺伝子を持った蚕が作った突然変異から生まれたものなのです。

ちなみに、繭の形は日本種は俵形で白い、真ん中にややくびれがあり中国種は楕円形で、黄色が多いです。

アジア系はオレンジの円錐形、ヨーロッパは糸が太いと原産国によって特徴があり、掛け合わせは自由なため、何百種と種類が生み出され、蜘蛛糸のようになるものさえあります。

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まとめ

蚕の繭は品種によって白繭、黄繭などが生まれますが、色が繭に着くのは、蚕の吐く糸を作る液体に色の成分が含まれているからです。

しかし、その色を決定するのは遺伝子なのです。

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