母チョウの体毛でカモフラージュされた卵から孵化したダイミョウセセリの幼虫は、どのような姿をしているのでしょうか?

チョウの幼虫は一般的には数回の脱皮を繰り返し、毛虫からイモムシの姿に変身していく種類が多いようなのですが、この幼虫も同じなのでしょうか?

気になるダイミョウセセリの幼虫の特徴や生態についてご紹介します。

ダイミョウセセリ 幼虫

ダイミョウセセリの幼虫について

ダイミョウセセリの幼虫の習性としてまずあげられるのは、食草であるヤマノイモやオニドコロの葉に切り込みを入れて折りたたみ、巣を作ってその中に潜んでいることです。

孵化してすぐの1齢幼虫は体長が2mm程度の本当に小さくて細長い体で、体毛のない薄黄緑色を帯びた白い胴体に黒っぽい丸い形の頭の部分がくっついているような姿をしています。

その日のうちに巣を作って隠れてしまい食事の時だけ出てくるので、成長の様子を伺うことが難しいようです。

2日程度で1回目の脱皮を行った2齢幼虫は体長も倍近くに成長し、黒い頭部が大きく目立つようになります。

その後4~6日間隔で約3回の脱皮を行い、終齢幼虫になると体長が25mm程度にまで成長、摂食した葉の色が緑色に透けて見え、体の中央部分がぷっくり太った姿が特徴的です。

また丸みを帯びたトンボの眼のような黒い顔には立派な牙があり、これで食草をバリバリ食べているんだということが想像できます。

アゲハチョウなどのように脱皮の度に見た目が変わっていく幼虫とは異なり、孵化した姿のままどんどんサイズがアップしていくような育ち方をするのですね。

ダイミョウセセリは活動期の春から秋にかけて2~3回の羽化を繰り返すのですが、春や夏に育った幼虫はそのまま蛹化するのに対し、秋に育った幼虫は終齢期に入ると落ち葉になった巣の中に入ったまま越冬をします。

なお、蛹化の前になると糞の数が減ってきて、体も一回り小さくなるのが目安になるようです。

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まとめ

生まれてすぐに身を守るための巣を作るというのは、卵に母チョウの体毛をこすりつけるのと同様の本能的な行動ですね。

常に外敵から身を守る動きをするのがダイミョウセセリの一つの習性といえそうです。

幼虫の見た目もアゲハチョウのように外敵を威嚇するような姿でもないですし、やわらかな体のままで越冬することを考えても、葉で作った巣に潜んでおくというのは意味のあることなのではないでしょうか。

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