ダイミョウセセリについては、詳しい生態についてあまりご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
チョウの仲間ですので、成虫は当然花の蜜を吸いますが、幼虫の好物は何なのでしょうか?
ここではダイミョウセセリの生態の中で、幼虫の食草についてご紹介します。
ダイミョウセセリの食草について
ダイミョウセセリは全国に分布が確認されていますが、具体的な場所としては、比較的平地より林のような場所を好むそうです。
ダイミョウセセリの食草は主にヤマノイモ科のヤマノイモやオニドコロ(鬼野老)などの葉なので、それらが自生しているところに生息するということなのです。
ヤマイモ科ヤマイモ属のつる性多年草ですが、雌雄異株という特徴を持ち、雄株は直立して雌株は下垂するという見た目の違いがあるそうです。
葉はハート形をしており、ダイミョウセセリの幼虫はこの葉の一部を切って折り曲げて巣を作る習性があるので、意外と居場所がわかりやすいようです。
ヤマノイモは山に自生する自然薯のことで滋養強壮などの効果があるとされ、秋には葉枝の脇にムカゴという小さな丸い粒をつけます。
一方のオニドコはヤマノイモの近似種ですが、地下茎に強い苦みがあって有毒であるため人間の食用にはならないそうです。
見た目の違いとしては、オニドコロの葉に比べヤマノイモの葉はかなり細長いこと、オニドコロの雄花はヤマノイモとは違って白くないなどがあげられます。
ヤマノイモの仲間を栽培している場所にもダイミョウセセリが寄ってくる可能性があるということですね。
まとめ
ダイミョウセセリの幼虫は、食草であるヤマノイモなどの葉で巣を作るのですね。
身を守るための本能的な習性なのでしょうか、おもしろいですね。
また、オニドコロとは『鬼野老』と書きますが、ヒゲ根の多い根茎の見た目を腰が曲がって白いひげを生やした老人に例えて『野老』とし、海の海老と対比させて長寿の象徴として正月に飾ったりすることもあるのだとか。
古事記や万葉集にも登場するという文化的背景もあるということです。
チョウの種類によって食草も様々なのが興味深いですね。