絹糸の原料となる生糸を作り出す蛾の仲間、蚕。

その蚕が作った繭から糸を取ることは知られていますが、その繭の中までは見たことのない方が多い事でしょう。

そこで、繭の中についてお話しします。

蚕 繭 中身

蚕の繭の中身について

蚕の繭から糸をとったら、後に残るのはただ、蚕のサナギです。

しかし、熱を加えていますので、生きてはいません。

蚕から糸を作るためにはたくさん繭が必要になりますので、養蚕家はたくさんの繭を育てなければなりません。

蚕の繭を糸にするために集めることを収繭(しゅうれん)と言います。

集められた繭は、まず、熱処理してサナギを乾燥させます。

また、糸を取り出す作業として、沸かしたお湯で煮て、糸の成分であるセシリンを溶かさなければなりません。

しかも、途中で繭を切り取ると上質の糸を取ることはできませんので、蚕の蛹が中に居るまま、煮沸していくのです。

つまり、残酷な話ですが、繭の糸を取る作業を行うことは、中で成虫になる準備をしていた蚕のが、子孫を残さずに命を終えてしまうことになるのです。

そもそも、蚕がなぜ繭を作るかというと、蚕は羽化を迎える直前にサナギになるために眠ったように動かなくなる眠にはいります。

蚕のサナギは大変弱いため、その間、天敵などから身を守るために繭をつくるのです。

繭の中は作り始めてすぐの時期は、蚕の体液が付着しており、糸にするのには適していません。

蚕は、まず、繭を作り始めて3日で蚕は次の脱皮のための眠に入り、1日して脱皮を完了し、サナギになります。

白かった身体が褐色になり、小さく縮んでいきます。

蚕の繭から糸を取るのには、蚕の幼虫が繭を作り始めて10日ほど経ってからが良いとされています。

蚕の繭を作るための箱からから繭を取り出す事を収繭といいます。

収繭し、出荷され、生糸を取り出す作業を行います。

昔の人は、糸を取り出した後のサナギを醤油などで煮て佃煮にして食べていました。

昔の人にとって貴重なタンパク源だったと言います。

今でも佃煮にされた蚕が売っていることがあります。

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まとめ

蚕の繭の中では蚕の幼虫が、成虫になる為の準備をしています。

蚕が繭の中でサナギになり、羽化した後、繭を破って出てきます。

繭の中には蚕と、脱皮した皮だけが入っています。

つまり、糸を取り出した後に残るものは、サナギにのまま命を終えた蚕の幼虫ということになります。

その蚕を佃煮にして食べることもできます。

平気な人は一度食べて見てはいかがでしょうか?

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