黒い翅に、色鮮やかな青い模様が大変美しいアオスジアゲハ。
東北南部よりも南の本州、四国、九州、沖縄と、日本の広い地域に分布する身近な蝶です。
幼虫は、街路樹としても植樹されているクスノキの葉を食べて成長するため、都会でも比較的採取しやすいことから、飼育を楽しむ人も多くいる昆虫の一つです。
しかし、飼育にトラブルはつきもの。
ここでは、そのひとつ、寄生虫について調べてみました。
アオスジアゲハの蛹に現れる黒い点について
アオスジアゲハの幼虫を育てていると、徐々に姿が変わってきます。
幼虫は、全部で5回脱皮を繰り返します。
1齢幼虫から5齢幼虫まで変化するのですが、その後、蛹を作ります。
蛹でいる期間は暖かい季節であれば約10日間で、気温が下がってくる季節に蛹になって越冬する場合は、7か月も蛹のまま過ごします。
その間に、蛹に黒い点が現れることがあります。
この黒い点は一体何なのでしょう?
アオスジアゲハの蛹の黒い点は寄生虫!
アオスジアゲハが蛹になってから現れる黒い点。
これは、アオスジアゲハの幼虫が、寄生虫に寄生されていた可能性が高いようです。
実は、アオスジアゲハの幼虫は、アゲハヒメバチなどといった寄生ハチや、ヤドリバエなどの寄生ハエに狙われやすいのです。
しかも、これらの昆虫に寄生されているかどうかは幼虫時代にははっきりとしません。
蛹になって2~3日が経過しないと分からないのです。
残念ながら、これらの昆虫に寄生されてしまったアオスジアゲハは、せっかく蛹になっても羽化して蝶になることができません。
かわいそうですが諦めるしかないようです。
まとめ
せっかく幼虫から飼育してきたアオスジアゲハが、結局寄生虫の餌食に…かわいそうで残念です。
自然は本当に過酷ですね。
寄生ハチ・寄生ハエの対策は、これらの昆虫を避けるために室内で飼育することです。
屋外であれば、必ずネットの中で飼育するようにしましょう。
もしも採取した時点で寄生されていたら、手遅れということではありますが、飼育するからには精いっぱいの対策をしてあげましょう。