アオスジアゲハという蝶をご存知ですか。
その名前のとおり、黒い翅に色鮮やかな青い模様をつけた、とても美しいアゲハ蝶です。
その幼虫が、街路樹として植樹されることの多いクスノキを餌として成長することから、都市圏の公園でも頻繁によく見られる蝶のひとつです。
東北以北を除く日本の広い地域に分布しているので、見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、私たちが目にするほとんどは、成虫になって飛び回っているアオスジアゲハの姿。
成虫に至るまでには、卵から始まり幼虫、蛹と様々に姿を変えます。
今回はその中でももっとも寡黙な、蛹の時代にスポットを当ててみました。
アオスジアゲハの蛹は何色?
多くのアゲハ蝶は、緑色か、薄い褐色のサナギを形成します。
しかし、アオスジアゲハのサナギは、ほとんどが基本的に緑色で、クスノキの葉とよく似ています。
これは、天敵から見つかりにくくするためと思われます。
中には他のアゲハチョウのように、茶色っぽいサナギを形成することもありますが、クスノキを食草とするアオスジアゲハの場合では、まれなケースのようです。
アオスジアゲハの蛹が茶色く変色してしまったら?
前述のとおり、アオスジアゲハの蛹は、基本的には緑色をしています。
しかし、これが腐ってしまったような汚い色に変色してしまうと、危険信号。
幼虫の頃に、寄生ハチや寄生ハエが卵を産みつけていた可能性があります。
アオスジアゲハは、こうした寄生虫に狙われやすいのです。
寄生されているかどうかを見分ける目安のひとつは、動くかどうか。
また、どす黒くなって、蛹の節が伸びたようになっているものも、寄生された蛹の特徴です。
残念ですが、こうなるとこの蛹は羽化することはできません。
まとめ
アオスジアゲハは、その色鮮やかさで私たちの目を引きますが、蛹の色ひとつとっても、他のアゲハ蝶と一味違って、緑が大半なのですね。
でも、そのアオスジアゲハの中でも、茶色っぽい蛹を形成する個体もいる…どの世界にも変わり者がいますが、それは大自然の中でも変わらないのでしょうか。
庭や公園で蝶の蛹を見つけたら、どの種類の蝶のサナギなのか、予想してみるのも楽しいかもしれません。