きれいな繭(まゆ)や絹糸(きぬいと)を作り出す蚕(かいこ)が、桑の葉を食べることをご存じの方は多いと思いますが、どれくらいの量の桑の葉を食べるかご存じでしょうか?
この記事では、蚕の飼育の際に与えられる桑の葉や食べ方についてまとめています。
蚕(かいこ)とは?
蚕とは、カイコガという昆虫の幼虫で、絹(きぬ、英語ではシルク)の元となる繭を作ります。
蚕の歴史はとても古く、蚕はクワコという蛾(ガ)が人の手によって家畜化された昆虫で、野生下には生息しないと言われています。
蚕は別名で家蚕(かさん)とも呼ばれます。
「蚕」は糸を吐いて繭を作る絹糸昆虫という昆虫全体のことを指す漢字で、家蚕は家の中で飼われている蚕を指します。
また、野性下にいる絹糸昆虫は、野蚕(やさん)と呼びます。
蚕は桑の葉しか食べない?
「蚕は桑の葉しか食べない」と言われていましたが、厳密に言うと桑の葉以外の葉も食べないことはないけれど、ほとんどが成長できない、もしくはガになるまで成長はできても満足な繭を作ることができないようです。
そのため実質的に「蚕は桑の葉しか食べない」と言うのは間違いではないということです。
ただ現在は蚕用の人工飼料が開発されています。
蚕が食べる桑の葉の量は?
蚕の飼育の際に、一匹の蚕が繭を作るまでに与える桑の葉の量は、およそ10枚で50g(桑の葉一枚5gと計算して)。
ただし、乾燥してしまったり食べ残した桑の葉は取り出して捨てるので、実際に用意する桑の葉はこれよりも多くなります。
※蚕は農薬に弱いので農薬のついていない桑の葉を用意します。
桑の葉は、しばらく水につけてから水洗いしたものを、水を切ってからビニール袋などに入れて冷蔵庫に保管すると1週間ほど保存できます。
桑の葉を手に入れやすい環境でしたら、枝付きの葉の方が葉がしおれなくていいようです。
蚕の桑の葉の食べ方は?
蚕は卵から生まれてきます。
生まれたばかりの蚕は2~3mmの大きさで黒く、全身に毛が生えています。
蚕は桑の葉の上にのせると桑の葉を食べ始めます。
桑の葉を与える時は食べきれる分量くらいの葉を切って与えますが、桑の葉には水滴などついていないものを与えます。
乾いてしまった桑の葉は食べてくれません。
まとめ
蚕の飼育に必要な桑の葉は一匹につき10枚以上必要です。
10匹飼育したら100枚以上、実際はそれよりも多くの桑の葉が必要になります。
現在は蚕用の人工飼料も開発されていますが、桑の葉を食べさせた蚕は人工飼料を食べません。
蚕は物凄い狭食性の昆虫ですが、広食性の蚕の育成も進んでいるようです。