絹糸となる繭を作り出す蚕(かいこ)は、人の手がないと生育できないため、野生下には生息しない昆虫と言われています。

蚕はどのようにして繁殖しているのでしょうか。

この記事では、蚕の飼育、繁殖の方法についてまとめています。

蚕 孵化 繁殖

蚕の一生!孵化から繁殖を終えるまで

蚕は卵から孵化(ふか)して繁殖を終えた後に一生を終えます。

その期間は孵化から50~60日ほどです。

孵化から蚕が一生を終えるまでの流れ

  1. 卵から孵化した蚕の幼虫は4回の脱皮をして大きく成長し、孵化から26日目くらいで繭を作り始めます。
  2. 繭を完成させた蚕は繭の中でサナギになり、孵化から41日目くらいに羽化します。
  3. そして繁殖行動を終えて蚕の一生は終わりを迎えます。

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蚕の繁殖方法について

蚕は繭の中でサナギの殻を破った後、口から繭を溶かす酵素を出して外に出てきます。

蚕は羽化してカイコガと言う白いガ(蛾)になっています。

  1. オスの方が先に羽化してきます。その後にメスが羽化します。この時メスはすでにお腹に卵を持っているのでオスよりもお腹が大きいです。
  2. 羽化したメスは、お尻のフェロモン腺からフェロモン(臭い)を出しオスを呼びます。オスは触覚でメスのフェロモンを感じてメスを探して近づいていきます。
  3. オスとメスがくっついて繁殖行動が始まります。
  4. 半日ほどしたらオスとメスを引き離し、メスを産卵させたい場所(キッチンペーパーなどのペーパーの上に)に移します。
  5. メスのカイコガは産卵した卵がくっつかないように移動しながら産卵します。(400~700粒の卵を産みます)
  6. 接合した卵と、接合しなかった卵を選別します。(細胞卵は2日くらいで変色しますが、接合しなかった卵は変色しません)
  7. 選別した細胞卵は、ペーパーにのせたままネットなどに入れて風通しの良いところに保管します。

卵からの孵化は、蚕の種類によって違います。

産卵から2週間ほどで孵化する卵や冬を越してから春に孵化する卵があります。

まとめ

蚕には餌やりから繁殖まで人の手が必要です。

何千年も前に人によって家畜化された蚕は、カイコガとして羽化した時、羽はあるものの飛ぶことはできないので逃げることはありません。

カイコガとなった蚕は餌を食べなくなり、繁殖行動を終えるとオスもメスも短い一生を終えます。

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