チャバネセセリは秋に一番個体数が増えるといわれます。
幼虫の食草がイネ科ということで、稲の生えた田んぼでも多くの飛来が確認されているようですが、チャバネセセリは田んぼの稲に卵を産み付けているのでしょうか?
幼虫は本当に稲の葉などを食いあらす害虫なのでしょうか?
稲につく害虫について調べました。
チャバネセセリは害虫?
稲の害虫として知られている『イネツトムシ』『イネツキムシ』『ハマクリムシ』などとよばれているイモムシは、実は『イチモンジセセリ』の幼虫なのです。
チャバネセセリの近似種で、成虫の翅の白斑の配置や大きさに違いがありますが、一見しただけではわからないほど似ており、幼虫も食草の葉を折り曲げて筒のような形の巣を作ったり越冬したり、同じような習性を持っています。
この害虫は、6月~7月にかけて高温多照になると8月頃に大量発生するというデータがあるそうです。
越冬して早春に羽化したイチモンジセセリが田植えの時期に稲苗の葉に産卵、そこで孵化した幼虫がそれらの葉を食い荒らします。
そして成長した幼虫がチョウになり、8月頃に再び稲の葉に産卵するのですね。
この時期の幼虫が一番食欲があり、とにかくものすごい勢いで食べ続けるそうです。
さらに9月の気温が高い場合は10月以降に次の産卵をするといった具合に、稲が生えている限りずっと食害を続けるのですね。
幼虫にとっては生きるための手段なのですが、人間にとってはありがたくない存在なのです。
もちろんチャバネセセリも同じように田んぼの稲に巣を作る場合がありますが、発生量が少ないためにそれほど目立たないのかもしれませんね。
まとめ
稲の害虫といわれるのは、チャバネセセリではなくイチモンジセセリの方だったのですね。
田植えから稲刈りの時期まで、産卵から羽化を3世代にわたって繰り返していることに驚かされます。
人間側も、田んぼに成虫捕獲器を設置したり、薬液の少量散布を施すなどして対策しているのが現状なのだそうです。