セセリチョウ科に属するあらゆる種類のチョウにも、それぞれ好みの食草があるようです。
見た目は見分けがつきがたいほど似ている種類でも、幼虫時代の食草が異なるというのは興味深いですよね。
このチャバネセセリの幼虫の食草は何なのでしょうか?
飼育をする際に知っておくべきことなども含めてご紹介します。
チャバネセセリの飼育について!
チャバネセセリの飼育期間は、卵が孵化した時期によりかなりの差が出てくるようです。
というのも、秋に孵化したチャバネセセリは幼虫の状態で冬眠せず成長を続けるという特徴があるからなのです。
もちろん冬の間の食欲や排泄量は減りますが、一定量のエサは食べ続け、すこしずつ成長していくそうです。
そのため、夏季に孵化した幼虫が1ヶ月程度で蛹化するのに対し、晩秋に孵化したものは5ヶ月程度かけて翌年の早春に蛹になるのが一般的なのですね。
また、冬を越す幼虫は脱皮の数が一回多いとも言われるようです。
そのため、秋からの飼育の際には、越冬できる程度の温度と適量の食草を確保することが大切になるでしょう。
チャバネセセリの食草は!?
チャバネセセリの幼虫が好むのは、チガヤ,ススキ,エノコログサといったイネ科の植物といわれます。
母チョウはそれらの食草の葉裏などに直径1mm程度の卵を産み付けるのですが、基本的にセセリチョウの仲間の卵は、丸くて底の部分が平たい饅頭のような形になっている特徴があります。
孵化した幼虫はイネ科の植物の細長い葉の形状を利用して、糸を吐いたり体を上下に反転させながら端同士をくっつけて平たい筒のような形の巣を作り、その中にくるまるようにして潜んでおり、脱皮などを行ったりするということです。
まとめ
セセリチョウ科の仲間は、食草で巣を作る種類が多いようです。
チャバネセセリも食草であるイネ科の植物の特徴である細長い葉の形状を利用して、自分の体をすっぽり覆うよう葉を縦にたたんだ状態の巣を作るそうです。
幼虫の細長い体形も、細長い巣の中で体を上下反転させるといった動きをするためには役立っているのですね。
また、冬の間も幼虫のままで休眠せず成長していくのも目立った特徴といえるでしょう。
したがって、春先の羽化は幼虫が冬も過ごせるくらいの気候である比較的南の地域から始まり、徐々に北部へ広がっていくといった流れになるのですね。