幼虫が蛹になることを蛹化(ようか)といいます。
いよいよ今までのイモムシから蝶になるための最終段階の準備に入るわけですね。
蛹化になる時期や日数、また蛹になるために適した場所などについてご紹介します。
キアゲハが蛹化するまでの平均的な日数や時間は?
最終齢に達した幼虫は蛹になる場所を求めて動き回りますが、この頃にはエサをあまり食べなくなり、最後にゆるい状態の糞をしてから蛹になる準備に入るようです。
手ごろな枝などを見つけた幼虫は、それに糸を吐いて『糸座(いとざ)』というものを作り、そこに自分のお尻をくっつけて頭を上にして固定した状態になります。
次に再び糸を吐いて、枝に固定された輪のような形にしたものを作ってそこに体をくぐらせるのです。
これは『帯糸(たいし)』とよばれるもので、蛹を支えるベルトのような働きをするのですね。
幼虫は輪になった帯糸に寄りかかるような感じで体をあずけ、いよいよ蛹になる最後の脱皮の準備に入ります。
この状態を『前蛹(ぜんよう)』といい、この時期の幼虫は、最後の排泄物を大量に出しているので体が縮んでいます。
前蛹の時期は環境により若干の幅はありますが、平均して1~3日といわれ、『蛹化』といわれる蛹になる脱皮の所要時間は数分間ということですので、見逃さないようにしたいものですね。
キアゲハが蛹になる時期はいつごろ?場所は決まっている?
キアゲハが主に成長する時期は春から秋にかけてですが、孵化から成虫になって産卵をするという流れを4~5回繰り返すといわれます。
また、秋に孵化した幼虫は、蛹の状態で春を待つ、いわゆる越冬型といわれる蛹になるものがあるそうです。
最終齢の幼虫は蛹になる場所を求めて動き回りますが、蛹になる場所として選ぶのは枝のようなものとは限らず、壁や飼育箱のプラスチックの面など様々です。
場所によっては蛹が落下したり、周囲の障害物が羽化の妨げになったり、羽化の際に成虫のつかまる場所がないなどの危険が想定されますので、安心な場所に移動させることが必要になるかもしれませんね。
まとめ
キアゲハの幼虫が蛹化の準備をしている様子はとても興味深く、お子さんの研究題材にもぴったりですよね。
また、それまで飼育してきた立場から見ると、感慨深いものがあることでしょう。
無事に羽化につなげられるよう、蛹化の場所にも気を配りたいですね。