ダイミョウセセリの産卵の様子と産みたての卵の様子は少し変わっています。
そのため、その姿をカメラでとらえようとするチョウの愛好家などからも人気があり、インターネットで検索すると、これらの画像や撮影方法について紹介されているようですね。
ダイミョウセセリは素早く飛びますが、飛んでいる時間は短くてすぐにどこかにとまる習性あり、さらに翅を広げてとまるため産卵の様子が見えにくいそうで、撮影するにはなかなか手こずる対象でもあるようです。
今回は、そんなめずらしい卵の様子や、そのような状態になる理由などについてご紹介します。
ダイミョウセセリの卵の特徴は?
ダイミョウセセリは、食草であるヤマノイモやオニドコロなどの葉に産卵をします。
基本的に1枚の葉の表面に、直径1mm程度の底面が平らな半球形の卵を1個ずつ産み付けていくのですが、産みたての卵は、なんともじゃもじゃの毛に覆われているのです。
この毛は卵を産んだ母チョウのもので、卵に自分の腹部をこすりつけてつけるのだそうです。
確かにダイミョウセセリの成虫の体は、短い毛にしっかりと覆われていますが、それをなぜ卵にくっつけるような行動をするのでしょうか。
一般的な説としては、卵を狙う天敵などから危害を加えられないようカモフラージュの目的で毛をつけると言われますが、私たちの目から見るとかえって目立つような感じすらしますよね。
卵の天敵としてあげられるのはコマユバチなどの寄生蜂ですが、小さなチョウの知恵には驚かされるばかりです。
まとめ
チョウの卵は産みっぱなしになるため、外敵や気象状況による被害を受けやすいため、成虫まで無事に育つ確率は非常に低いのですね。
ダイミョウセセリの母チョウは、そのために自分の体毛を卵にこすりつけてカモフラージュするということなのですが、この行動はチョウの仲間のなかでも珍しいものでしょう。
全身を毛で覆われているという身体的特徴を最大限に生かした生き残るための方法なのだと思うと、なんだか感動的な気持ちにすらなりますね。