蚕を趣味で飼育する場合は、50頭ほどを飼うことが多いようです。
蚕は脱皮を繰り返し、5齢まで生きます。
5齢の蚕に与える桑の葉は、1日分を目安にすると、100gから150gほどです。
蚕の糞!緑色のものに蚕の糞が使われているって本当!?
蚕の糞は、蚕沙といわれ、緑色素として、食品添加物に使用されています。
抹茶アイスやグリーンガムの緑色の色素です。
古来より蚕の糞は漢方薬として使われてきました。
食べる餌が桑の葉だけですから、蚕の糞の成分も桑の葉に含まれる成分が元になります。
蚕沙から葉緑素を効率よく取り出し、色素の安定のため、銅クロロフィルという形にしてから使うことになります。
食品添加物を見てみると、抹茶を使っている場合は抹茶末、蚕沙の場合は桑葉末と表記されています。
原材料名には銅クロロフィルと記載されています。
銅クロロフィルこそが蚕の糞の特徴です。
現在は養蚕そのものが減少してしまったため、蚕沙は手に入れにくくなっています。
また蚕を飼育するためには、桑の葉が大量に必要になりますから、もし庭があるなら、桑の木を植えて、新鮮な桑の葉を与えてあげましょう。
蚕は真っ白で、もりもり桑の葉を食べます。
匂いも少ないので、観察用にペットにすると、脱皮の様子や繭を作る過程、糸を吐く様子、また絹糸の取り方など、よい観察記録がとれますね。
まとめ
葉緑素は植物の緑の元となる成分です。
クロロフィルといわれている成分です。
蚕沙から抽出されるクロロフィルはコチニール色素を含み、アレルギーの原因として、心配の声も上がっています。
蚕の糞の緑は桑の葉に含まれる葉緑素です。
ヨーロッパの見解では添加物に含まれる銅クロロフィルは高濃度であるが微量のため、問題ないとされています。
養蚕の伝統は古く、日本においてはおカイコ様として神格化されています。
カイコは1匹、2匹ではなく、1頭、2頭と数えます。
蚕沙は活性炭としても使われています。
漢方薬として使われている蚕沙は不純物を取り除き、乾燥させています。
あまり知られていませんが、鉛筆の芯に使われていることもあります。