ひと昔まえは、日本国内の路地のあちこちから、機織りの音が聞こえてきました。
機織りは農閑期には貴重な収入源でした。
また切れた糸を繋いで紡ぎ、家族の帯などに仕立てたりしていました。
蚕の種類と絹織物
家蚕 屋内飼育されている蚕です。カイコガ系、マルベリーシルクと呼ばれています。家畜化された蚕からとられた糸です。
野蚕 野外飼育の蚕です。ワイルドシルクと呼ばれいます。ヤママユガ系で野生カイコです。
以下家蚕と家蚕以外の分類です。
- 天蚕:日本原産で全国に分布
- 柞蚕:インド原産、中国やインドで飼育されている
- ムガ蚕:インドのアッサム地方で飼育されている
- エリ蚕:インド原産で中国でも飼育されている
製糸段階での分類
生糸撚糸
フィラメントシルクと呼ばれ、繭からとれる極細の糸数本を撚りあわせたものです。
滑らかで光沢がある一般的なシルクです。
絹紡糸
上記が長繊維に対し、こちらは短繊維です。
スパンシルクと呼ばれています。
ふんわりと軽い感触です。
絹紬糸
ノイルシルクと呼ばれています。
ざっくりした綿のような感触で、節があります。
絹は滑らかで、光沢がよく、保湿性や保温性に優れた繊維です。
天然繊維の中では唯一の長繊維です。
まとめ
山繭から取れる糸は、最近また注目されています。
オーガニック素材の専門店での扱いが増えて、特に肌着や靴下が人気です。
またスカーフにも素材を生かした立体感がある織り方が注目されています。
山繭のシルクはワイルドシルクと呼ばれています。
保湿、保温性にすぐれ、肌触りも柔らかい上、抗菌効果や防紫効果も期待されています。
ムガ蚕からとれる糸は大変高価で取引されています。
織地が金色になります。
希少というだけではなく、遮光性、保湿、通気性、紫外線もほぼ完全にカットすると期待されています。
他の山繭と違うところは、香木の葉だけを食べます。
金色の糸を出すのはムガ繭からだけです。