蚕を飼っている様子を身近で見かけることが少なくなりました。
蚕が大量の青々とした桑の葉にちょこんと乗っている姿は可愛らしいものです。
飼育環境にあっても、ほとんど臭いもありません。
お蚕様と言って、神格化している地方もあります。
蚕の非休眠卵を保存する方法は?冷蔵庫で保存!?
蚕は農業の傍で、主に農閑期に飼育されていました。
蚕を同じ時期に孵化するために、様々な研究がされてきたのです。
蚕の卵を冷蔵庫で保存しておいて、産卵時期に合わせて取り出して孵化させる方法があります。
蚕の卵は紙の上に産み付けさせます。
蚕の卵は液が絡んだ状態で生まれますから、自然に紙にくっつきます。
蚕は重ならないように上手に卵を産み付けます。
春に生まれた卵はそのまま三週間ほどで孵化しますが、秋の蚕は冬を越さないと孵化しません。
蚕が卵を産み付けた紙をビニール袋に入れて、冷蔵庫で保管します。
放っておいても孵化するのは冬を越してからですが、餌になる桑の葉が手に入る時期に孵化させる作業をします。
冷蔵庫に入れている間は孵化しませんので、春まで保存します。
冷蔵庫では半年ほどはもちます。
健康で孵化する卵は黒い色で形も揃っているようです。
皮が白っぽくなったり、剥がれたりしているものは孵化しないことが多いのです。
冷蔵庫から取り出すタイミングですが、気温が25度くらいの時を見計らって取り出して下さい。
保管は二ヵ月以上であまり長期にはなり過ぎないようにして下さい。
十ヵ月以上過ぎてしまうと、孵化率はかなり低下します。
まとめ
養蚕の歴史は古く、弥生時代にはすでに蚕を家畜化していたとされています。
養蚕については充分な研究がなされ、養蚕は農閑期に行うように、孵化の時間を調節できるまでに発達しました。
農家は蚕種を購入して、都合がいい時期に孵化させることが出来るようになりました。
家庭でも特別な薬品なしで、冷蔵庫に保存する方法で、半年ほどは孵化を調節可能です。
桑の葉がないと蚕は育ちませんから、春になってからを待って孵化させることになりますね。