蚕がシルクの原料となる生糸を作り出すことは皆さんご存知かと思います。
現在は養蚕は衰退の一途をたどっていますが、絹は、昔、農家の大事な副収入であったため、大切に飼育されていました。
そうして、明治時代、日本は、世界一の生糸の生産を誇るまでになったのです。
その蚕の一生の中で、 最も美しい短いその時間について、お伝えしようと思います。
蚕が繭になったその後は?
蚕の繭は、蚕が成虫になる前のサナギになり、羽化するまでの身を守る大事な役割があります。
そうして、繭の中で蚕は羽化が完了させて、成虫として外界にでてくるのです。
なぜなら彼らは、一生の中のメインテーマである、子孫を残すという大事な役割があるからです。
羽化を終えた蚕は口から液体酵素を出して繭を突き破りゆっくりと顔から出て来ます。
そうして、新しい姿になった蚕は、繭の外で初めて自分の羽根を広げます。
その姿は、蚕の一生の最後の一瞬ではありますが、白く、ふんわりとした毛に覆われており、天使といわれるほどかわいいものです。
蚕が羽化をすませると、蛾尿と言われる赤茶色の尿をします。
2度目に尿をした後、蚕のメスはフェロモンを出してオスを呼びます。
オスは逆にフェロモンを感知するアンテナを出してメスを探します。
そうして、子孫を残すための相手を見つけ、交配を行うのです。
蚕の交配は長いので、2~3時間したら離してやらないと6時間はそうしています。
蚕は交配の後、数時間で産卵を行い、3日ほど産卵をし続けます。
一つ一つ重ならないように丁寧に。
そうして産卵、交配を終えた蚕は、生後50日ほどの命を終え、その遺伝子は卵達にのこされていくのです。
まとめ
蚕は成虫になる過程で自然界の脅威から身を守るために繭になります。
そして、繭から出て羽化を完了して成虫になり、交配をする相手を探します。
蚕の産卵は交配の数時間あとから可能で、3日ほどかかりますが、丁寧に自分の子孫を産み落としてその命を終えるのです。