ジャコウアゲハの幼虫には毒があると言われていますが、なぜ毒を持つことになったのでしょうか。
また毒の正体は何なのでしょうか。
ジャコウアゲハの幼虫の毒の正体とは!?
アゲハチョウの幼虫は、身を守るために危険を感じたら威嚇のために頭のところにある角から臭い液体を霧状にして噴射します。
この角のことを臭角と言い、ジャコウアゲハの幼虫にとってはとても大事なものです。
臭角から臭い液体を噴射すると言ってもほとんどの幼虫は臭いだけで毒は持っていないのですが、全部が全部毒をもっていないというわけでは無く体内に毒を溜めている幼虫もいます。
ジャコウアゲハの幼虫がまさにそれで、その毒の正体というのがウマノスズクサというジャコウアゲハが好んで食べる植物です。
ウマノスズクサは昆虫などに食べられないように、アルカロイドやアリストロキア酸という有害物質を含んでいて、そのおかげでほとんどの昆虫はウマノスズクサを食べません。
しかし、ジャコウアゲハの幼虫やベニモンアゲハの幼虫は有害物質を気にすることなく、むしろ好んで食べます。
そしてウマノスズクサの毒にあたるどころか幼虫の頃から体内に毒を蓄積させて身を守っているのです。
なにも知らずにジャコウアゲハやベニモンアゲハの幼虫を食べてしまった外敵は、その毒にあたって中毒症状を起こしてしまい命を落としてしまう可能性だってあります。
ですからジャコウアゲハやベニモンアゲハの幼虫を一度は食べようと口に入れても、食べたら危険と感じた敵は食べるのを止めそれから二度と食べようとすることはありません。
こうしたジャコウアゲハやベニモンアゲハの幼虫の特徴を利用して、オナガアゲハやアゲハモドキやクロアゲハは体をジャコウアゲハに似せ、天敵を騙して食べられないようにしています。
生きていくための自然界の仕組みですが、とても頭がいいですね。
このジャコウアゲハやベニモンアゲハの持つ毒ですが、人間には特に害は無いと言われています。
ただしこれは触ったくらいではかぶれたりはしないという触った場合の話であり、食べてしまうと危険を伴います。
ジャコウアゲハやベニモンアゲハの幼虫を食べるという場面は私たちが普通に生活していればよほどのことがなければ出会わないでしょうし、危険を冒してまで食べない方がいいでしょう。
まとめ
ジャコウアゲハの幼虫が持っている毒の正体は、エサとして食べているウマノスズクサに含まれている有害物質でした。
ウマノスズクサの有害物質はジャコウアゲハには効果がないので、体内に蓄積させた毒で天敵から身を守っていたのです。