絹(シルク)は、衣料品としてだけではなく、医療品、化粧品やスキンケア用品、食品と多岐に渡って利用されています。
そんな絹の糸を作り出すのは蚕(カイコ)という昆虫ですが、蚕の卵は、孵化(ふか)までにどれくらいの日数や時間がかかるのでしょうか。
蚕の卵!孵化までにかかる日数は?
蚕はカイコガという蛾(ガ)の幼虫で、1匹のカイコガは500~700粒の卵を産みますが、卵は非休眠卵と休眠卵の2種があります。(接合していない未細胞卵もあります)
非休眠卵の場合
非休眠卵とは、不越年卵、非着色卵、生種(なまだね)とも呼ばれ、産卵された年に孵化する卵のことです。
アイボリーまたは黄白色をしています。
非休眠卵は産卵から6~7日目くらいに突然色が変わり始め、中に黒い点があるのが見え始めます。
産卵から2週間ほどで孵化します。
休眠卵の場合
休眠卵とは、越年卵、着色卵、黒種(くろだね)とも呼ばれ、産卵された年には孵化せずに冬を越して翌年の春に孵化する卵です。
こちらも産まれたばかりの時は黄白色ですですが、産卵から2日ほどで赤茶色に変色し、藤ねずみ色、黒っぽい色へと変色します。
休眠卵は最低3ヶ月間低温(5℃)においておかないと孵化しません。
4~5ヶ月間低温におかれた後、室温(20~25℃)に出すと10~12日で孵化します。
未細胞卵
未細胞卵の場合は、孵化しません。
孵化から蛹になるまでの日数は?
孵化した蚕の幼虫は脱皮を繰り返して成長し、孵化から26日目くらいに繭を作り始めます。
繭の完成には2日ほどかかります。
繭を作り終えた蚕は1日くらい経つと繭の中で脱皮して蛹になります。
蚕の蛹が羽化するまでの時間は?
蛹になってから10~15日ほどで繭の中でカイコガ(成虫)になります。
カイコガは蛹の殻を破り、口から繭を溶かす酵素を出して繭の中から出てきます。
羽化したカイコガは餌を食べず、メスがフェロモンを出してオスを呼び、繁殖活動を行って産卵した後その一生を終えます。
蚕の寿命は孵化から50日ほどです。
まとめ
蚕が産卵する卵には休眠卵と非休眠卵があり、非休眠卵の場合は産卵から2週間ほどで孵化します。
休眠卵は冬を越してから孵化するため、4~5ヶ月間低温におかれた後に室温に出されて孵化します。
個人で蚕を飼育したい時は低温に保存された休眠卵を購入することができます。
販売店に飼育開始日を伝えたりすることで孵化の時期を調節してくれます。