キアゲハをはじめとするチョウなどが、卵から無事に成虫になる確率は100分の1ともいわれます。

成虫のメスが200~300個もの卵を産んでも、実際にはほとんどが何らかの理由で命を落とすことになったり生まれることすら出来ないということになりますよね。

この理由の一つとしてあげられるのが『天敵』の存在です。

ここでは、キアゲハの幼虫などを捕食したり寄生したりする生き物について具体的にご紹介します。

キアゲハ 幼虫 天敵

キアゲハの幼虫にとっての天敵は何!?

特に丸々と太っている幼虫時代は、自然界の様々な生き物の栄養源となるようです。

幼虫の天敵は成長段階によって色々で、まだ孵化して間もない頃はクモやテントウムシの幼虫やアリのような小形の虫に狙われます。

他にもスズメバチやアシナガバチ、カマキリ、カメムシ、鳥、トカゲなどが、キアゲハの幼虫を捕食するといわれています。

また、幼虫の体内に卵を産み付けていく寄生蜂や寄生蝿は、蛹になった時に被害に気付くというやっかいな存在でしょう。

さらに、脱皮した皮を放置しておくと、カメムシに居場所を知られて狙われる可能性があるなど、様々な天敵に狙われているのです。

また、捕食や寄生だけではなく、天候の大きな変化や大雨、病気などで命を落とす幼虫も少なくありませんし、食草に残留している農薬などの危険にもさらされているのです。

改めて自然界を生き抜く厳しさや難しさを感じますよね。

ただ、このような流れが、特定の種類の生き物の大量発生を防いだりして自然界のバランスを保っているということでもあるのです。

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まとめ

卵から孵化する段階で既にごく少数に絞りこまれ、次の幼虫時代にはあらゆる天敵から狙われながら成長することになるキアゲハ。

若齢幼虫の毛虫のような黒っぽい見た目は鳥の糞のように見せる保護色として、また最終齢あたりの派手なシマシマ模様や斑点は天敵から身を守るための警戒色としての意味を持ち、外敵が嫌う臭いを出すオレンジ色の角を出して追い払うこともあるのです。

キアゲハの短い一生には、厳しい自然界の状況が凝縮されているような印象すらあります。

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