必ずしもすべての蛹が完全な状態で羽化するというわけではありません。
羽化の際に殻がうまく破れなかったり途中で落下するなど、色々な要因で不完全な翅の形になったり、最悪は命を落としてしまうケースもあるようです。
そのような事態を未然に防ぐために、蛹になる段階で安定した場所の準備をすることも大切になりますよね。
また万一羽化が失敗してしまった場合にどうしたらいいか、あらかじめ知っておくことも必要でしょう。
キアゲハの羽化の際に起こりうる状況や対処法をご紹介します。
キアゲハの羽化が失敗したらどうなる?対処法は?
チョウなどの昆虫類は、チキン質という物質が体を覆っているおかげで、体に一定のかたさや丈夫さがあるのです。
しかし、蛹の殻から出たばかりのチョウの翅はまだ柔らかくて湿っているため、乾いてかたくなるまでに何らかの原因で傷が入ったりすることで飛べなくなる可能性があるでしょう。
一度傷がついたり開かなかった翅は、残念ながらもう元に戻ることはありません。
自然の中でエサを求めて自力で飛んでいくことが不可能ですので、屋内で飼育せざるを得ないということになります。
このような事態を防ぐ方法としては、蛹を作る段階で固定された割り箸などを設置したり、すべりやすいプラスチックの壁にひっかかりをつけるためにティッシュペーパーのようなものを貼り付けておくなどがあるそうです。
なお、飛べないキアゲハを飼育する場合はエサやりが大切な仕事になります。
砂糖水であれば濃度が高すぎないものを作りましょう。
蜂蜜水や乳酸菌飲料、スポーツドリンクなども使えるようです。
ちなみに砂糖なら人間がほんのり甘さを感じる程度、蜂蜜は8~10倍に、スポーツドリンクは2~3倍に薄めるのが目安だということです。
なお、自力で飲もうとしない時は口を伸ばしてやったり、味を感知する働きのある前足にエサをぬってみるなどの手段が有効だということです。
まとめ
羽化に失敗した成虫は長生きできないかもしれませんが、大切に飼育することにより命の尊さなども学ぶことができそうですよね。
このことを含めても、昆虫の一生を見守るように成長を観察していくことが、老若男女かかわらず意味のあることではないでしょうか。