オナガアゲハは体から羽まで黒く、羽が細長いのが特徴的なアゲハチョウ科の蝶です。
分布領域は北海道の西部から南部、本州、四国、九州にまであり、春から暖かい地域だと秋ごろまで見られます。
見た目がスマートで人気のあるオナガアゲハは一体何を餌にしているのか、好みの葉や幼虫の時は何を食べているのかということをご紹介していきます。
(食草と言っても実際に成虫のオナガアゲハが草を食べるわけではありませんのでご注意ください。)
オナガアゲハの食草について
オナガアゲハの幼虫はミカン科植物が大好物です。
基本的には何でも食べられるくらい食欲旺盛ですが、特にコクサギやカラスザンショウといった野生種を好みます。
コクサギの葉は光が当たると葉が反射するほどの光沢をもっており、枝や葉から独特な臭いを発しているので慣れるとすぐに見つけることができます。
高さも2~3mほどの低木のため採集も比較的簡単です。
カラスザンショウは高さ6から8mほどにもなる木です。
こちらは採集に少し工夫などが必要なため、オナガアゲハの幼虫を飼育する上ではコクサギがポピュラーな部類に入ります。
成虫になると他の蝶同様に花の蜜などを餌にします。
特に多いのはツツジやクルマユリなどの花で、その近くでは良くオナガアゲハを見かけます。
成虫を飼育する際はアゲハチョウと同じですので、蜂蜜や砂糖水を脱脂綿などに含ませ、それを近くまで持っていけば吸ってくれるはずです。
もし吸い付きが良くなければ針などの尖った物の先を使って口まで持っていってあげるのが効果的です。
単純に飼育ケースの中に置いておくだけでは最初に餌と認識しないので注意が必要です。
まとめ
オナガアゲハの好物は幼虫と成虫で異なることが分かりましたか?
幼虫は野生種の葉を好んで食べますが、採集が楽なコクサギの葉が飼育には向いており、成虫はツツジなどの花の蜜を好みますが蜂蜜や砂糖水でも代用できます。
特に飼育が難しい部類には入りませんので、餌の調整や調達は身近なもので済みます。
1つだけ注意しなくてはいけないのは成虫時に与える餌の濃さです。
水分がドロっとして濃すぎると消化器官に詰まってしまいますので、しっかりと薄めてから餌を与えるようにしてください。