美しい光沢のある翅を持ち、愛好家からの人気の高いミヤマカラスアゲハですが、どのようなところに行けば遭遇できるのでしょうか。
生息地ではどのような活動をしているのかも興味深いところですね。
特徴的な生態などを含めてご紹介します。
ミヤマカラスアゲハの生息地は?国内の分布について
ミヤマカラスアゲハは、国内においては主に北海道から九州中部にかけての森林地帯に分布し、屋久島や種子島、佐渡島などの島部の平地や海岸線の樹林でも生息が確認されています。
主に食草であるキハダやカラスザンショウ、ハマセンダンといった落葉高木の自生している場所ということになりますね。
ちなみに国内の主な採集適地のひとつとして挙げられる北海道の春型(蛹の状態で越冬して春に羽化するタイプ)の翅は、特に美しいと定評があるそうです。
他にも、信州や福島などや屋久島などを目指す愛好家も多いということです。
国外では、中国大陸や台湾、朝鮮半島、サハリンなどに分布が見られるといわれます。
遺伝子レベルの研究によると、中国にいくつかの同一種が存在し、氷河時代に日本列島付近に流れてきたという説もあるのですね。
また、成虫は花の蜜だけでなく水を飲むので、水たまりのような場所に多く集まる習性をもっているようです。
しかも不思議なことに、水場に集まるのはオスばかりなのだとか。
ナトリウムを摂取しようとしているといわれますが、なぜオスだけなのかなどは解明されていないということです。
主に吸蜜する花は、春はツツジやアザミ類、秋はユリ類が多いそうです。
まとめ
ミヤマカラスアゲハの成虫は全国に分布しているとはいえ、実際に見つけることができる場所は高地の森林や海岸線などに特定されているようです。
カメラマンや収集家などの間では、特に北海道や信州方面、屋久島などの個体が美しいと定評があるということです。
生息場所によって翅の美しさに個性があったり、吸水するのがオスだけだという習性があることなどは興味深いですね。
同じ場所でも春型と夏型によっても違った魅力があるようですし、この奥の深さが人気の要因のひとつなのかもしれませんね。